AMH低値の体外受精について
AMHが低い人は当然ながら採卵個数が少なくなる傾向があり、採卵回数を繰り返すことになりがちです。
ただし、AMHは採卵数の目安となりますが、AMH値は常に一定ではなく毎月変わるので頻回に値をチェックする必要があります。
AMHは通常は検査会社に外注するので結果が数日かかります。当院では外注でなく院内検査でAMHを測定するので30分ほどでリアルタイムに結果をしることが可能です。
毎月毎月の卵巣のコンディションに合わせて注射や薬の量を調整します。
AMH低値の体外受精では排卵誘発の方法や排卵誘発剤の種類や量をうまく使い分けて微調整をしていく必要があります。
自然周期法とか刺激法、○○法などの大まかな分け方ではなく、同じ誘発法のなかでも患者さん自身には気がつかない程度の微調整がしていきます。
卵巣内の少ない卵子をどれだけ効率よく多くの採卵するかが成功のカギとなります。
同じ患者さんでも毎月コンディションは異なりますので、その月に合わせた誘発法を工夫することで、複数の卵子を採卵できることもあります。
排卵誘発をどれだけ丁寧に細かく分析するかがAMH低値の人の体外受精の成功の秘訣です。
当院の胚移植での妊娠率を比較しました。AMHが年齢平均より高いグループと低いグループに分けました。4回目までの胚移植での結果となります。
AMH低くても高いの妊娠率/胚移植が可能となります。
AMH低値ですと採卵数のグラフが示すように平均採卵数が少なくなります。
妊娠するまでの平均採卵回数は多くなります。しかし、その差はさほど多くはありません。
AMH値を院内検査でリアルタイムに測定し、AMH低値の治療経験が豊富なクリニックでの治療が低AMHの患者さんの治療の秘訣ではないかと考えます。AMHが低値でもやり方次第では良い結果を出すことができます。
AMH治療のまとめ
- AMHの値は単独では意味がありません。
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AMHは毎月変化するように、患者さんの状態も毎月違うのでその月に合わせた完全オーダーメイドの治療が必要です。
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AMH低値の治療に習熟したクリニックでの治療が良いでしょう。AMHが低くてもAMHが高い人に劣らない結果は可能です。