不妊治療・体外受精専門の池袋えざきレディースクリニック

なかなか妊娠しない方への専門的治療 なかなか妊娠しない方への専門的治療

問題1

採卵個数が少ない

採卵数が少ないと1つも胚移植できないことが起こります。 体外受精で卵巣刺激を行い複数の卵子を採卵する理由はそこにあります採卵できる卵子の数が人によりある程度決まっているので 普段0-1個しか採卵できない患者さんを10個採卵出来るようにすることはできません。

採卵個数の目安としてAFC(胞状卵胞数)やAMH検査があります。 当院では採卵周期には毎回AFCとAMH検査を行います。こうした検査と過去の治療経過を総合的に判断すると月に多少コンディションが良い月があります。

当院ではAMHは外注でなく院内で測定するので1時間以内にその場で結果確認が可能ですので、当日と前月、前々回のAMH値や卵巣の画像を比較して排卵誘発の方法などを分析します。 コンディションが良く普段より多く取れそうな月には、やや強めの刺激の排卵誘発を試してみます。

卵子が入っていない空胞が多い場合にも本当は卵子が入っているが未成熟なため採取できていないことがあります。 採卵のタイミングを前後にずらし丁度よい成熟になりそうなタイミングで採卵し回収すると空胞が減らせることがあります。
また卵胞を吸引するだけでなく「卵胞フラッシュ」を行うと回収し損ねた卵子が回収できることがあります。

このようにAMH値が低く採卵数が少ないことが予想される場合でも丁寧な対策を行うことにより良好な結果を出すことが出来るようになります。 普段1個しか採卵できない人が3個採卵できたとしたらその違いはとても大きくなります。

採卵個数が少ないからと言って自然周期法のみに固定する必要はなく毎月臨機応変に誘発法を検討することが必要です。 自然周期法、低刺激法をメインとしながらもチャンスを逃さないことが重要となります。

問題2

受精しない・受精率が低い

体外受精・顕微授精の通常の受精率はだいたい80%くらいです。
ほとんど受精しない場合は顕微授精。

精子が侵入すると精子により卵子が活性化され受精完了となりますが、この活性化が自力でうまくいかないため顕微授精でも受精が起こらないことがあります。 その場合は卵子活性化を行う必要があります。顕微授精と卵子活性化の併用でほとんどの受精障害は解決出来ています

問題3

受精しても胚が育たない・グレード不良

受精しても途中で胚発生が停止してしまうと胚移植可能な胚が大幅に減ってしまいます。発育不良の原因は卵子の質が悪いことがほとんどです。
胚発育不良のもう一つの原因は、持っている卵子そのものは悪くないが排卵誘発の方法が合っていないために成長が悪くなっているという場合です。
これ関しては排卵誘発方法を見直すことで改善できる場合があります。
排卵誘発の変更は自然周期法か刺激周期法のような単純で大まかな誘発法の変更ではなく、細かな調整となります。 薬の日数や、注射の種類、回数の変更や、卵胞の成熟度に合わせての採卵日を修正します。
胚発育不良の場合には丁寧に卵子の状態を確認しながら臨機応変にきめ細かく排卵誘発を軌道修正していくことがカギとなってきます

培養環境の改善も一つの方法ですが、昔と違って今は市販の培養液の品質が安定し成分も良くなっているので、以前のように培養技術で胚の発育を劇的に改善できることはなくなってきました。 そうはいっても培養の技術を安定させることは重要であることは間違いありません。

当院の培養成績についてはこちら

問題4

着床不全の治療成績

体外受精を繰り返しても何も対策しないで治療をするとだんだん妊娠率は下がる一方のはずです。
治療法の微修正を行っていかないと妊娠率は下がり5回目くらいでは10%未満となってしまいます。

着床不全の妊娠率

当院の治療成績では上のグラフが示すように、繰り返して胚移植して妊娠しない5回目の患者さんでも妊娠率が3割以上と高いままとなっています。
これは過去の治療を詳細に分析して次の治療に生かす対策をしているためです。
つまり反復不成功であっても妊娠可能な方法があるということになります。

着床不全の治療の実際

胚移植を数回繰り返しても妊娠できない場合は着床障害としての検査・治療を行います。

子宮内膜ポリープ 子宮鏡検査でポリープの位置関係を診断します。
着床不全の原因のとなりそうであれば手術で摘出します。

慢性子宮内膜炎 近年、着床不全や反復流産、早産に関係することが分かってきました。
子宮鏡検査と子宮内膜組織検査(CD138免疫染色)にて診断します。
療は抗生剤などにより感染を抑えます。

子宮内膜受容能(「着床の窓」のズレ) 子宮内膜はいつ移植しても胚を受け入れるわけではありません。胚を受け入れてくれる期間のことを通称「着床の窓」といいます。 この窓が開いているときに胚移植を行わないと正常胚でも着床が起こりません。 移植の時期は一般的にこの窓が開いているとされているタイミングで行います。
着床の窓がズレている方が反復着床不全の方の30%くらい存在するとされています。 着床の窓がズレていないかを予測する検査がERAやという検査です。当院ではERAより新しいERPeak検査も可能です。
着床の窓がずれていると予測された場合は移植のタイミングを前後に移動します。

SEET法 着床する前に受精卵が分泌する成長因子などのサイトカインが子宮内膜を刺激し着床を促進するという考えから日本で考案された治療です。 採卵したあと受精卵を培養した培養液を凍結保存し、胚移植の数日前に子宮内に注入します。リンス療法とも呼ばれることがあります。

G-CSF療法 G-CSF(顆粒球コロニー形成刺激因子)を薬剤とした製剤を用いる治療です。
子宮内膜菲薄化例の治療でしたが、子宮内膜が菲薄化していない着床不全にも効果が認められています。

免疫異常(Th1/Th2検査) 免疫のバランスを見る検査の一つです。受精卵・胎児に対する母体側の拒絶反応が強い場合、妊娠維持がうまくいかなくなる可能性があり、これらの免疫バランスを評価する検査です。

拒絶反応を起こす可能性が高いと評価された場合、拒絶反応を抑えることで着床・妊娠維持が可能となるとの報告があります。

ビタミン・ミネラル ・ビタミンD欠乏
・銅/亜鉛
・血清鉄・フェリチン

ビタミンやミネラルが妊娠成立に影響することがあるともいわれています。
劇的な効果が期待できるわけではありませんが、対策が簡単なのと不妊治療以外の疾患の治療にもなるので検討してみても良いと思います。

当院での着床不全治療の具体的内容・費用については公式サイトをご参照ください。

一般不妊治療で妊娠できない方

人間は排卵日前後に3-4回性交渉を行うと90%の方が妊娠すると言われています。
排卵日を調べなくても1年間で3回くらいは勝手に排卵日に的中してしまいます。
逆に言えば、そこまでで妊娠しなければ一般不妊治療での妊娠は90%無理であることになります。

一般不妊治療が不十分な方

排卵日前後に3-4回性交渉を行うと90%の方が妊娠すると言われています。
排卵日付近の性交が合計3-4回まで達していない方は、まだ回数が不足しているだけです。
3-4回に達するまで一般不妊治療を繰り返す必要があります。

当院では尿検査でなく血液検査による高精度な排卵日予測を行うことが可能です。

一般不妊治療が向いていない方

タイミング法または人工授精を3-4回している方はもうこれ以上の回数を続けていても結果が出ない人です。つまり一般不妊治療の向かない患者さんです。
一般不妊治療の4回目以降の妊娠率は2%未満しかありません。4回以上の一般不妊治療は現実的には意味がない事になります。

確率が低いからと10回繰り返しても妊娠はできません。そこまでで妊娠出来ない方は体外受精を行うことをお勧めします。
一般不妊治療を行ってきた方のほとんどは検査に明らかな異常がなかったはずです。検査では悪いところがないので、体外受精は必要ないと考える方がとても多いのですが、 検査で異常がないということは問題がないわけでなく、原因が検査ではわからない「原因不明不妊」ということになります。
多くの方は原因不明不妊となります。

体外受精でも年齢が上がってしまうと妊娠することが困難になります。一般不妊治療に期待しすぎて時間をかけすぎてしまうことが多々あります。

体外受精といえども1回2回で簡単に妊娠できるとは限りません。1年以上かかる方もいます。 また体外受精でも35歳を過ぎると大幅に妊娠率は下がってきます。35歳以上の方は早めに一般不妊治療を切り上げた方が良いかと思います。 35歳未満でも二人お子さんが欲しい場合は二人目の治療が35歳超えてしまう可能性がある方は早めに体外受精を行う方が良いかと思います。

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