子宮内膜菲薄化の治療|不妊治療の池袋えざきレディースクリニック

子宮内膜菲薄化の治療

子宮内膜菲薄化の治療

子宮内膜菲薄化の治療

受精卵は排卵して6日半で子宮に着床します。子宮の内側の着床が起こる部分を子宮内膜といいます。
生理中の子宮内膜は薄く、女性ホルモンの増加とともに徐々に厚みを増し排卵日くらいにはかなり厚くなります。排卵後ではあまり厚みは変わりません。

体外受精での子宮内膜と妊娠率のグラフです。子宮内膜が薄い人は妊娠率が下がる傾向があります。ここで大切なのは6㎜以上だと40%の妊娠率ですが6㎜未満でも30%は妊娠していることです。子宮内膜は6㎜未満では妊娠できないわけでなく10%妊娠率が下がるということです。薄くても30%妊娠しているし、厚くても60%は妊娠できていません。
内膜の厚みは絶対ではないということです。

内膜薄いイコール妊娠できないというわけではありません。

内膜厚に注目しすぎてもいけません。子宮内膜厚は数値化できるので説明しやすいですが、見た目も影響すると思います。表現は難しいのですがキレイな子宮内膜は薄くても着床しやすいことは多くの不妊治療の専門医は日々感じているはずです。子宮内膜の見た目とういうのは数値化しにくいので、数値化できる子宮内膜厚を計測しているので、専門医はこれらを併せて判断しています。ただ患者さんに説明できるのは内膜厚の値なので内膜厚ばかりが注目されてしまいます。子宮内膜厚ばかり気にしすぎるのはよくありません。

子宮内膜の計測時期の間違い

生理中の子宮内膜は薄く、女性ホルモンの増加とともに徐々に厚みを増し排卵日くらいにはかなり厚くなります。排卵後ではあまり厚みは変わりません。
子宮内膜厚は排卵の直前くらいに計測します。
排卵直前の子宮内膜が厚くなる前に計測してしまっているので子宮内膜が薄いと診断されているが、本当は問題ないケースは以外に多いものです。

排卵誘発剤が適切でない

クロミフェン(排卵誘発剤)の副作用によるもの
クロミフェン(クロミッド®)を使用すると子宮内膜が薄くなることがあります。クロミフェンをしたら必ず内膜が薄くなるわけではありません。また通常は初回から薄くなることは稀で5回くらいの回数を使うと内膜が薄くなることがあります。
クロミフェンを継続せずレトロゾール(フェマーラ®)などに変更します。

排卵が早すぎる

タイミン法や人工授精など一般不妊治療中に子宮内膜が薄い人は卵子が十分に成熟する前に未熟状態で排卵していることがあります。子宮内膜が育って厚くなる前に排卵日を迎えてしまうのです。つまり卵子の成長>>内膜の成長ということです。これは子宮内膜が薄いのではなく排卵が早すぎることになります。「子宮内膜が薄いと診断された」と言われている場合でも単に排卵が早いだけということが意外に多いかもしれません。

子宮内膜自体に発育が悪い

子宮内膜は卵胞から分泌されるエストロゲンという女性ホルモンにより厚みを増します。ホルモンに反応が悪い、つまりホルモンに鈍感なために子宮内膜が厚くならないことがあります。
もう一つは子宮内膜自体の機能が悪い場合です。過去に子宮内の手術を受けた場合や前児の出産で胎盤が剥がれにくかった場合など子宮内膜がダメージを受けたために起こりますが、大半はそうした既往のない原因不明です。子宮内膜自体の発育が悪い場合は子宮内膜を再生する治療が必要となります。

排卵が早い場合

排卵誘発剤などで未成熟な状態の排卵を成熟して排卵するように改善していきます。
排卵誘発剤を使用しても改善が難しい場合は体外受精を行います。
採卵して受精卵を凍結します。凍結した受精卵を人工周期(ホルモン補充周期)で子宮内膜を調整して厚みを増した時点で融解胚移植を行います。
これで子宮内膜が薄いといわれている方のほとんどが妊娠可能です。

子宮内膜自体の発育不良

体外受精でのホルモン補充周期で改善しない場合がこれに相当します。
こうした場合はG-CSF療法やPRP・PFC-FD療法といった子宮内膜再生治療となります。