一般不妊治療について
排卵日と性交日が数日以上ずれると妊娠が起こりません。
排卵日を知ることで妊娠可能な時期に性交を持つことが可能です。
・基礎体温表
大切な検査の一つですが、排卵日を事前に予測することは出ません。あとから見返していつ頃に排卵したかを確認するために使用します。
・排卵日予測アプリ
今までの生理の周期をもとに排卵日を予測します。毎月の周期が一定であれば目安になります。
過去の生理をもとに予測するので長期間使い続けないと安定した予測ができません。
ただし5日以上の周期のばらつきがある生理不順の方は正確性が下がります。
・市販の排卵検査薬
排卵の直前に上昇するホルモンを尿検査薬で調べます。費用が掛かりますが上記の方法より正確です。
はっきりと判定できないことがあり連日、場合により1日2回の検査を数日行います。当日にならないと排卵日がわかりません。
・エコー検査+尿ホルモン検査
エコーで卵胞の大きさを見て、市販と同様の尿検査で排卵日を予測します。1日前までにならないと排卵日はわかりません。そのため通院の回数が増えてしまいます。
・ホルモン血液検査
排卵時期に変化する数種類のホルモンを血液検査で調べます。高精度であり、結果を1時間以内に出すことができます。
エコー検査と併用することで3日前には排卵日がわかります。そのため通院の頻度は月に1回ないしは2回で済みます。
当院では血液検査を使用した高精度タイミング法を実施しています。
タイミング法は排卵日を調べていますが、その後は性交を行うだけなので妊娠する力がないと妊娠することはできません。
一定期間以上にわたり自宅で性交、あるいは自己タイミングをして妊娠しないのであればタイミング法の効果は低いと考えます。
性交期間が1年以内であればタイミング法を3~4回くらい行うとよいでしょう。
普段の生理の周期などから大まかに排卵日を予測します。
タイミング法のスケジュールとして、その数日前に受診し、エコー、ホルモン採血検査から排卵日を予測し性交する日をお伝えします。
血液検査の結果には1時間弱かかります。
通常は月に1回くらいの受診となります。生理周期にばらつきがある場合などは月に2、3回くらいのスケジュールになることもあります。
子宮内に精子を注入する治療です。
原液のまま精液を直接子宮内に注入する人工授精もありますが、精子が少ない場合などは効果が低下します。
また痛み、感染などの副作用があるので実施はしていません。
当院では「精子濃縮人工授精」を行っています。
遠心分離機で高濃度に濃縮調整した精子調整液を子宮内に注入します。
痛みもなく安静も不要で数分で処置は終わります。
洗浄濃縮精子での人工授精では子宮内感染のリスクや痛みがありません。処置は数分で終わり安静は不要です。
人工授精とは排卵に合わせて子宮の中に精子を注入する治療法です。「人工」と名前がついていますが、注入後はすべて自力での妊娠する必要があるため、人工授精の妊娠率はタイミング法や自然妊娠と比べてさほど高くありません。
人工授精の妊娠率は約10%と決して高くはないですが、以下のような方は効果が期待できます。
当院では人工授精で妊娠している方は3回以内に妊娠することが多く、4回目以降に妊娠する確率は2%未満です。
従来は6回以上行うことが標準的でしたが、3回程度の人工授精で妊娠しなかった場合は人工授精に時間をかけず体外受精など別の治療に移行したほうが良いでしょう。
タイミング法・人工授精の回数は患者さんにより差がありますので実際は一律でなく医師と相談のうえオーダーメイド治療で決定することになります。
タイミング法と同様のスケジュールで排卵日を予測し、排卵直近に人工授精を実施します。
事前に専用の精液採取容器とバーコードをお渡しします。当日朝にご自宅でご主人に精液を採取していただき、容器は奥様が持参します。
ご主人が来院する必要はありません。
当日は提出していただいた精液を遠心分離してから実施します。
約6,000円
実施する検査により変動します。
1周期 約6,000円
エコー、血液検査など含む。
1周期 約12,000円
人工授精手技、エコー、血液検査など含む。
保険医療機関にて行った不妊検査及び一般不妊治療に要した費用について、5万円を上限に助成します。
※東京都以外の市区町村でもこのような制度を実施していますのでお住いの自治体にご確認ください。