ERA・ERPeak検査(子宮内膜受容能検査)|不妊治療の池袋えざきレディースクリニック

ERA・ERPeak検査(子宮内膜受容能検査)

ERA・ERPeak検査
(子宮内膜受容能検査)

ERA・ERPeak検査(子宮内膜受容能検査)

ERA・ERPeak検査

着床の窓とは?

子宮内膜はどの時期に胚移植しても胚を受け入れるわけではありません。その胚を受け入れる時期が「着床の窓(WOI: Window of Implantation)」と言われます。着床の窓が開いている時期でないと胚を受け入れないのですが、着床の窓が開いている時期が移植された時期よりずれていると正常な胚を移植しても着床が起きません。
着床の窓がずれている場合、つまり窓が閉じている場合は着床が起こらないので、着床の窓が開いている時期に合わせて胚移植を行う必要があります。

ERA® 、ERPeak℠ は子宮内膜受容能検査といい、この着床の窓が開いている時期を調べる検査です。子宮内膜の組織を採取して200個のRNAの発現をNGS(次世代シーケンサー)にて解析します。
反復着床不全の30%の方が着床の窓がずれているといわれています。

検査の実際

実際に胚移植を行う時と同じホルモン補充周期のスケジュールで行い、胚を移植する時期(通常黄体ホルモン開始後5日後)に子宮内膜生検(子宮内膜の一部を採取)をします。
キュレットと呼ばれる器具で子宮内膜の組織を採取します。
通常は3分程度、痛みも軽度で麻酔は不要ですが、子宮の入口が硬い場合などは採卵時のような局所麻酔をすることもあります。
処置後は出血することがあります。
ERA検査の周期には胚移植を行うことはありません。
また検査代とは別に別途ホルモン補充の薬剤費用が3万円程度かかります。
当日はシャワーのみ可(入浴不可)。性交渉は不可となります。

子宮内膜受容検査の種類

・ERA®
Igenomix社というスペインの企業が実施してる子宮内膜受容能の検査です。
200から300のRNAの発現をNGSという手法で検出します。

・ERPeak℠
ERA®の後から登場した最新の検査です。NGSに対してRT-qPCRという方法でRNAの発現を検出します。ダイナミックレンジが広く少量の検体でも判定することができるのが特徴です。
子宮内膜生検で少量の検体しか採取できない場合ERAでは再検査となるところがこちらの検査では検出できる可能性があります。
新しい検査のため数多くの検査結果が出ていないという懸念はありますが、現時点ではERAとほぼ一致した検査結果となっていることが明らかになっており、今後主流となっていく可能性が高い検査です。
当院ではすでにERPeakも採用していますのでERPeak検査を実施することができます。

検査の結果について

結果は2-3週間後となります。
結果が正常であった場合は通常通りのスケジュールで今後移植を行うことになります。
結果から着床のズレが見られた場合は着床の窓のズレに合わせて移植日をずらします。

ERA検査は、検体の採取が難しく、検体不良として再検査になる場合があります。検体不良で再検査になった場合、検査料などは無料(再々検査が半額負担)ですが、薬剤費の負担はあります。

検査の問題点

着床の窓をmRNAの発現で予測する検査ですが。着床の窓というのは見ることができないので、これらの検査はあくまでも着床の窓を推測しているに過ぎないのです。つまり検査結果を絶対的に信用してはならないということになります。

反復着床不全だけでなく1回目や2回目の胚移植も含むすべての患者さんにERA®を実施して胚移植しても着床率は変わりませんでした。
つまり、1回目や2回目の患者さんにERAを行うとむしろ妊娠率は下がる可能性があるといえます。

また慢性子宮内膜炎が存在する患者さんは着床の窓がずれてしまいます。慢性子宮内膜炎の治療を行うことによりズレが改善します。
慢性子宮内膜炎の治療をする前にERAを行うと間違った治療となります。

これらの検査は正しい着床の窓を示しているとは限らず、あくまでも推測しているために間違った移植が行われてしまったのです。
少しでも良い結果を求めて検査をなんでもとりいれるとこのような落とし穴が待っていますので注意する必要があります。

子宮内膜受容能検査に適した方
  • 40歳未満で4回の胚移植で着床しない
  • 慢性子宮内膜炎の検査が異常なし
    (あるいは治療済み)

この条件を満たさないで検査を実施すると逆効果になることがありますので注意が必要です。

ERA・ERPeak検査

ERA検査 130,000円
ERPeak検査 110,000円

別途ホルモン補充周期の薬剤費が約3万円かかります。

結果が「判定不能」の時は再検査が無料となります。
結果が「非受容期」の際は再検査が半額となります。
再検査の場合でも薬剤費は発生します。
ただし上記の結果となる頻度は数%程度で非常にまれです。

※費用は全て税別表記です。

なおERA検査ERPeak検査ともに当院で採卵を行った方のみとなります。