精液検査 | 不妊治療・体外受精専門の池袋えざきレディースクリニック

精液検査

精液検査

精液検査
精液検査基準値
①精液量1.4ml以上
②精子濃度1600万/ml以上
③運動率42%以上
④総運動精子数(①×②×③)1638万以上

原精液の検査項目

精液検査には多くの項目があります。代表的な項目がWHOの精液検査
は以下の項目となります。
① 精液量
② 精子濃度
③ 運動率
④ 総運動精子数

結果の判断で重要なことは、一つ一つの項目が基準より低くても、気にしてはいけないことです。

一つ一つの項目は単独では意味を持たないので複合的に判断します。
例えば、運動率が多少低くても、精子の数が多ければその分をカバーできるので問題ありません。

一つ一つの項目より「総運動精子数」のような総合的な数値の方が精子の状態の指標となります。
総合的な判断結果は医師に説明してもらうとよいでしょう。
精液検査は毎回変動しますので細かい数値にとらわれて不要な心配をしないことです。

むしろ全ての項目が基準値を超えている人はそれほど多くはないので個々の数値はあまり気にしなくてもよいと考えます。

SMAS(コンピュータ精子運動自動解析)

池袋えざきレディースクリニックでは、SMASというコンピュータによる精子運動解析システムを使用しています。
機器に精液をセットすると自動的に精子の計測をすることが可能です。

SMAS(コンピュータ精子運動自動解析)の結果

計測時間も数分間と短いため、従来の計測法よりはるかに短時間で正確に結果を出すことができます。

SMASは精子が運動している状態を撮影し、精子の運動をモーションキャプチャーして運動速度や振幅数などを分析しています。

そのためSMASでは上記のWHOの項目だけでなく、「精子運動速度」、「直進性」、「尾部の振幅回数」など20以上の項目の計測をすることが可能です。

詳細なデータが解析できるので、体外受精の受精法を判断をする際に参考にすることが可能となります。

※男性単独のSMAS検査のみの受診は行っておりません。
当院で治療中のご夫婦に限ります。

精液検査の基準値について

精液検査には「正常値」はありません。
その代わりに「WHOの基準値」というものがあります。
この基準値とは「世界の男性の95%はこの基準内にある」というものです。

基準値は世の中の男性はこのくらいの精子がいるという基準で不妊かどうかを知る基準ではありません。

誤解してはいけないのは基準値より少ないから妊娠しにくいという意味ではないということです。
実は不妊とは全く無関係の基準値です。

これを「正常値」と誤解している患者さんがとても多いのです。
不妊専門でない医師でさえも誤解しているくらいです。

総合的な数値である総運動精子数でさえも毎回大きく変動します。
月によっては5~6倍の変動は普通に起こりますので1回の検査値が多少低いからといって気にする必要はありません。

再検査も不要です。
一つの項目が基準値の半分くらいであればそれだけで問題となることはありません。

総運動精子数は基準値が1638万個となっています。
これも妊娠出来るかの基準ではないのです。

目安としては総運動精子数1000万未満であれば自然妊娠やタイミング法では厳しいと考えればよいでしょう。

SMASでさえも「数と動き」で判断しているに過ぎないので、その精子が受精する能力があるかなど精子の質までは分かりません。
また、精子のDNAが断片化しているかの程度などの詳細な精子の状態などもSMASでは解析できません。

検査が基準値を上回っているからといって精子は問題ないと安心できるものでもありません。
妊娠した後にようやく「精子は問題なかった」と判明します。
生物は必要な精子数があれば妊娠できます。
精液検査が不良となる原因はいくつかあります。
精索静脈瘤などの疾患で精子の数が減少することがあります。
また、治療をしても改善するまでに時間がかかり、必ず改善するとも限りません。

男性側のみの治療に時間を費やすばかりでなく、女性の卵子の老化による妊娠率の低下を考慮して早めに治療を開始する必要があります。
精子が少なくても人工授精ないしは体外受精であれば妊娠可能です。
さらに顕微授精であればほんの僅かな精子でも受精可能です。

男性側の治療は重要ですが、精子の数値にこだわり治療に専念してしまうことは必ずしも良い結果となりません。

極端な例として無精子症でなければ体外受精・顕微授精での妊娠は可能です。

人工授精や体外受精での処置では精液を遠心分離機で濃縮するなどの処理を行います。
人工授精や体外受精、顕微授精では原精液よりも処理後の結果が重要視されますので、処理前の原精液の結果は気にされなくて構いません。

精子はごく少量であっても体外受精や顕微授精を用いれば妊娠は可能です。

ただし無精子症の場合は治療ができません。
無精子症では男性不妊の専門医の診察を受けて原因を探ります。
精巣内に精子が存在する可能性があれば、精子を精巣から直接取り出して顕微授精を行います。
専門的な技術を持つ泌尿器科の医師でないと治療が行えないため男性不妊専門医と連携し治療を行います。

ED(勃起不全)で性交ができない場合、性交しても射精に至らない射精障害の場合であっても不妊治療は可能です。

多くは緊張などによる心因性のEDであり、ED治療効果がみられることがあります。
日本では大きく分けて3種類の成分のED治療薬が認可されています。先発品だけでなくジェネリック薬品もありますのでさほど高額ではありません。
ネットの個人輸入の薬剤は危険なので購入しないでください。

ED治療薬を使用しても性交ができない場合はマスターベーションで精液を採取して、精子を子宮内に注入する人工授精を行います。